結論:「1円でも早く返したい」という感情を手放した

かつての私は、住宅ローンの残高を見るたびに、胸の奥がザワザワしていました。
「1,000万円以上の借金があるなんて恐ろしい」「1円でも早く返してスッキリしたい」
そんな感情に突き動かされ、実際に2回、期間短縮型の繰り上げ返済をしたこともあります。
でも今の私は、あえて「繰り上げ返済をしない」という選択をしています。
感情と戦略の間で揺れながら、家計管理が一番進化した、あの日の気づきをお話しします。
わが家のローンの現状

【住宅ローンの現在地(2026年3月)】
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借入時期:上の子が1歳の頃(約18年前)
借入額:約2,500万円・35年
月々の返済額:約83,000円
現在の残債:1,000万円を切ったあたり
残り期間:約10年
固定金利終了:2032年
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35年ローンでスタートしましたが、2回の繰り上げ返済でトータル7年短縮できました。客観的に見れば順調そのもの。でも「借金への怖さ」が消えることはありませんでした。
「35年 vs 20年 vs 賃貸」——あの選択があったから、今がある
わが家が2,500万円を35年で借りたのは、月々の返済を少なくして手元に現金を残すためでした。
同じ借入額でざっくり比べると、こうなります。
| 月々の返済目安 | 手元への影響 | デメリット | |
|---|---|---|---|
| 35年ローン | 約83,000円 | 余裕が生まれやすい | 総返済額は増える |
| 20年ローン | 約120,000円台 | 毎月の負担が大きい | 教育費との両立が難しくなる |
| 賃貸 | 物件による | 身軽・転居できる | 資産が残らない・老後も家賃が続く |
※金利・物件条件によって異なります
35年を選んだから月々に余裕が生まれ、教育費が重なる今も返済を続けられています。そしてその余裕があるからこそ、繰り上げ返済するかどうかを「選べる」状態でいられるのです。
もし20年で組んでいたら、教育費ピークの今、家計は確実に行き詰まっていたと思います。
「35年は長すぎる」と感じる方もいるかもしれません。でも私にとっては、その「長さ」が家計の安全弁になっています。
衝撃の気づき:団信は「家族への最強の保険」

そんな時、改めて学び直したのが「団体信用生命保険(団信)」の存在です。
団信とは、ローン契約者に万が一のことがあった際に、住宅ローンの残高がゼロになる保険のこと。
今のわが家の残債は約1,000万円を切るくらい。裏を返せば、私に万が一のことがあれば、家族は1,000万円近い住宅ローンが消えた家を受け取ることになります。
「これ、1,000万円の定期保険と同じ効果じゃない?」
そう気づいた瞬間、視界が開けました。
今まで「一刻も早く消すべき敵」だと思っていた住宅ローンが、万が一のときに家族を守ってくれる「保障」としての顔を持っていたのです。
繰り上げ返済をすれば残債は減り、それだけ団信の保障額も減っていく。「早く返すこと=保障を縮小すること」でもあったんです。
これを機に、今入っている他の生命保険との保障の重なりも見直すようになりました。
「繰り上げ返済すべき人・しない方がいい人」の違い
繰り上げ返済は、状況によって「正解」が変わります。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 金利が高い(1.5%以上) | 早めの繰り上げ返済が有利になりやすい |
| 手元現金が少ない(生活費3ヶ月分未満) | まず現金確保を優先する |
| 教育費など大型支出が近い | 繰り上げ返済より現金を温存する |
| 保険の見直しが済んでいない | 団信の保障価値を先に確認する |
| 低金利(1%未満)かつ投資を活用できる | 手元現金をNISA等に回す方が効率的な場合も |
わが家の場合、固定金利は比較的低く、教育費マラソンの真っ只中。手元現金を削ってまで繰り上げ返済する理由がありませんでした。
「返すべきか、持っておくべきか」今も続く葛藤

「団信は保険になる」と頭では理解しました。
それでも、正直に言います。今でもずっと葛藤しています。
月83,000円の返済は決して小さくありません。でも今の教育費マラソンの真っ只中で、ここを削って繰り上げ返済に回す余裕はない。
通帳の数字が増えていく安心感と、ローン残高というマイナスの数字を見る恐怖。
この二つの間で、私の心は常に揺れ動いています。おそらくこの葛藤は、完済するその日まで続いていくのだと思います。
それでも今の私は「あえて返さない」という戦略を選び続けています。
「もし感情に任せて繰り上げ返済を続けていたら」
もし私が感情のまま無理な繰り上げ返済を続けていたらどうなっていたか。
今の「教育費マラソン」の真っ只中で、きっとパニックになっていたはずです。
ある程度の現金がない生活に、私は耐えられません。
月83,000円の返済を払いながら、教育費も積みながら、手元現金も死守する。それが今のわが家の「守りの戦略」です。
まとめ:完済のスッキリ感より、今そこにある安心を

完済した時の「スッキリした!」という解放感は、きっと素晴らしいものでしょう。
でも、その一瞬の解放感のために、今この瞬間の「現金の守り」を崩すわけにはいきません。
繰り上げ返済が「絶対に正しい選択」かどうかは、金利・手元現金・近い将来の大型支出によって大きく変わります。まずは自分の状況を整理してから、感情ではなく戦略で判断してみてください。
わが家がそもそも35年ローンを選んだ背景はこちらに書いています。
家計全体の見直しを始めたい方は、家計管理のスタートラインもあわせてどうぞ。
※本記事の情報は2026年4月現在のものです。住宅ローンの条件・戦略は家計状況によって大きく異なります。金融機関への相談もあわせてご検討ください。


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