結論:マイホーム購入は「結果オーライ」。でも今の知識でやり直せるなら…

わが家がマイホームを購入したのは、上の子が1歳の頃。
結論から言うと、家を買ったことは「結果オーライ」だと思っています。でも、今の知識を持ったまま当時に戻れたら、たぶん同じ条件では買いません。
約2,500万円を35年ローンで借りた当時から、残債が1,000万円を切った今までに見えてきたのは、住宅展示場では誰も教えてくれなかった「家を持つことの本当の重み」です。
この記事では、当時の私の甘さと、18年かけて学んだこと、そして「買う前にこれだけは確認してほしい」リストをまとめます。
当時の私が見ていたのは「月々の返済額」だけだった
20代の頃、実家の近くに手頃な土地を見つけて、営業担当者の「家賃を払うより、自分の資産になるマイホームの方がお得ですよ」という言葉に、疑いもなく乗りました。
当時チェックしていた数字はこれだけ。
- 頭金:数百万円
- 借入:約2,500万円
- 期間:35年
- 月々の返済:「今の家賃と同じくらいなら払えるね」
未来は今より稼げて余裕があるはず、という根拠のない自信。でも現実に待っていたのは、3人の子育て、教育費の波、積み重なる固定費でした。
「月々払えるか」だけを確認して35年の契約を結ぶことの怖さを、当時の私は分かっていませんでした。
25年・30年・35年でいくら違う?利息の差を試算してみた
では「期間35年」を選んだことで、いくら違ったのか。
当時の正確な金利はもう覚えていないので(最初の3年だけ安い「キャンペーン金利」だったことだけ覚えています)、仮に金利1.5%・全期間固定・元利均等・ボーナス払いなしとして、借入2,500万円を年数別に試算してみます。
| 借入期間 | 月々の返済 | 総返済額 | 利息の総額 |
|---|---|---|---|
| 25年 | 約100,000円 | 約3,000万円 | 約500万円 |
| 30年 | 約86,000円 | 約3,106万円 | 約606万円 |
| 35年 | 約77,000円 | 約3,215万円 | 約715万円 |
35年を選ぶと、25年より月々は約23,000円ラクになります。当時の私が見ていたのは、まさにこの「月々の差」だけ。
でもその代わり、利息は約215万円多く払うことになります。子ども1人の高校3年間の学費が、まるごと利息に消えるくらいの差です。
誤解しないでほしいのは、「だから短く借りるべき」という単純な話ではないこと。月々に余裕を持たせて教育費や投資に回す、という戦略もあります(わが家も今はその考え方です)。大事なのは、この利息の差を「知った上で」選ぶこと。私は知らずに選びました。そこが一番の反省点です。
住宅展示場は「夢」を売る場所。現実は自分で拾いに行くもの

家を持つと、月々のローン返済以外にもコストが積み上がります。当時の私には「見えていない数字」が多すぎました。
【家を持って初めて知った、年間コスト】
- 固定資産税(年4回払い):年間約72,000円(18,200円+18,000円×3回)
- 浄化槽の維持費・点検代:賃貸時代にはなかった出費
- 将来の修繕費(外壁・屋根・水回り):いつか必ず来る大出費
固定資産税は年4回に分かれて請求が来るので、最初は「なぜ急に7万円の請求が?」と焦りました。引き落とし口座を別に用意して毎月6,000円ずつ積み立てる習慣ができたのは、数年後のことです。
そして正直に告白すると、修繕費の積立は今もできていません。「いつかやらなきゃ」と思いながら、教育費の波に飲まれ続けているのが現実です。
業者は悪くありません。彼らの仕事は「家を売ること」であって、わたしたちの「35年間の人生設計」を守ることではないから。甘かったのは自分自身です。
「買う前に確認しておけばよかった」チェックリスト
あの日の自分に渡したいリストです。
| 確認項目 | 当時の私 | 本来すべきこと |
|---|---|---|
| 月々の返済額 | チェック済み ✅ | — |
| 借入年数別の利息の差 | 知らなかった ❌ | 25年/30年/35年で総返済額を試算 |
| 固定資産税(年間) | 知らなかった ❌ | 物件の固定資産税額を確認 |
| 修繕費の積立 | 考えていなかった ❌ | 年間10〜15万円の目安で積立 |
| 浄化槽・設備維持費 | 知らなかった ❌ | 年間費用を試算 |
| 団信の保障内容 | 分かっていなかった ❌ | 保障範囲・特約を確認 |
| 固定金利終了後の準備 | 考えていなかった ❌ | 金利上昇時の返済額を試算 |
特に見落としがちなのが「団信の保障内容」。住宅ローンには団体信用生命保険が付いていますが、私は「死亡したときにローンが消える」という基本保障しか確認していませんでした。がん特約や就業不能保障など追加保障の内容を理解していれば、その後の保険見直しの判断も変わっていたはずです。
わが家の金利の歩み|キャンペーン金利から「固定を選び続ける」少数派へ
ここで、わが家の金利選びの歴史も書いておきます。
- 当初3年:キャンペーン金利(最初だけすごく安いやつです)
- 3年経過後〜現在:10年固定を選択し続けて、次の見直しは2032年
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)」によると、いま住宅ローンを組む人の約8割(79.0%)が変動型を選んでいます。固定期間選択型は12.2%、全期間固定型は8.8%。つまり、固定を選び続けるわが家はかなりの少数派です。
それでも私が変動を選ばないのは、「毎月の返済額が読める」ことを優先しているから。わが家の家計管理の出発点は「先が見えない状態が一番ストレス」という気づきでした。金利が読めない不安を抱えるより、多少高くても確定した数字で計画を立てる。これがわが家の性に合っています。
どちらが正解かは、金利の動き次第で変わります。ただ、「みんなが変動だから変動」ではなく、自分の家計が「読めない変動」に耐えられるかで選ぶのが筋だと思っています。
それでも「買ってよかった」と思える、意外な理由

これだけ「甘かった」と言いながら、なぜ「結果オーライ」と思えるのか。
それは、住宅ローンという大きな借金を背負ったことで、強制的に「お金と向き合う側」に回されたからです。もしあの時、身軽な賃貸を選んでいたら——浮いたはずのお金を、今のように教育費や投資に回せていたでしょうか。正直、自信はありません。
ローンがあったからこそ、固定費を徹底的に意識するようになり、家計管理の重要性に気づき、お金の勉強を本気で始めた。いわば、ローンが「家計管理の家庭教師」になってくれたのです。
毎月の返済が「いつか終わる」という見通しを持てることも、長い家計管理のモチベーションになっています。
残債約1,000万円の今、私が「備えている」こと

現在、ローンの残りは約10年。残債は1,000万円を切るところまで来ました。
正直、借金は怖いです。一刻も早く完済してスッキリしたい気持ちもあります。
でも今の私は、感情だけでは動きません。2032年の「固定金利の終了」という節目を見据えつつ、今はあえて繰り上げ返済を急がず、教育費の確保と投資を優先しています。その判断の中身は[繰り上げ返済をやめた理由]に詳しく書きました。
金利見直しのタイミングでは、借り換えも視野に入れています。借り換え審査に落ちたのに金利が下がった実話は[こちら]をどうぞ。
まとめ:「知らずに選ぶ」と「知った上で選ぶ」は天と地
何も知らずに組んだ35年ローン。それはわが家にとって、単なる契約ではなく、人生最大の「学び」の場でした。
未来は誰にも読めません。でも、「知らずに選ぶ」と「知った上で選ぶ」では、天と地ほどの差があります。
家を買うことを考えているなら、月々の返済額だけでなく——
- 借入年数別の利息の差(この記事の試算表のように)
- 固定資産税・修繕費などの「ローン外コスト」
- 金利タイプと、固定終了後の返済額
この3つまで含めた「35年のトータルコスト」を一度試算してみてください。その試算を面倒と感じるなら、それはまだ「買うタイミングではない」のかもしれません。
※本記事の情報は2026年6月現在のものです。試算は金利1.5%・全期間固定・元利均等・ボーナス払いなしと仮定した概算です。固定資産税の金額は物件・地域によって異なります。
(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)」)


コメント